天河大弁財天社へ父と旅
天河大弁財天社へ向かった、父との一日旅の記録です。
祝日の朝、車で山へ向かい、いくつかの立ち寄りを経て天河村へ向かいました。
その一日の流れを、記録として残しています。

🌸 天河大弁財天社参拝の動機

2025年11月3日、父と天河大弁財天社に参拝してまいりました。
もちろん、我が家の愛犬、プードルのマルくんとチワプーのプーくんも一緒です。

「なぜ、天河大弁財天社?」

天河大弁財天社は、
三大弁財天(江ノ島・厳島・竹生島)の宗家にあたるとも言われる場所で、
以前から気になっていました。

もっと早く参拝したかった気持ちもありますが、
天河大弁財天社は
「呼ばれた人しか辿り着けない」とも言われています。

(来るべき時期が来ないと辿りつけない、
神様に呼ばれた人が行く場所……
そんな言い伝えもあるようです)

プーくんプーくん

呼ばれなかったのね


マルくんマルくん

そんなこと言わないの、留守番になるよ💦

そして、もうひとつ。

天河大弁財天社は、
芸術や芸能と深く結びついた場所としても知られています。

古くから、表現に携わる人や、
人生の節目に立つ人たちが、
静かに手を合わせてきた場所。

派手に語られることは少ないけれど、
「ここで何かを感じた」という話が、
不思議と多く残っている神社でもあります。

さらに、2025年は巳年。
弁財天様のお使いが蛇であることから、
「今年こそ、ご縁の年かもしれない」と感じていました。

……ただ、気づけば秋になっていました💦

天河大弁財天社のご利益は、
芸術・芸能、金運招福、商売繁盛。

実際にこの地でインスピレーションを得た、
表現者のエピソードも、いくつか知られています。

こうしたいくつかの「きっかけ」と「ご縁」が重なり、
今回、ようやく参拝することができました。

旅は、計画から始まる

今回の天河大弁財天社への旅は、
「父と犬たちと一緒に行くこと」
「家族や、ご縁のある方たちの想いを、祈りとして届けること」

そして帰路では、
亡き先住犬、チワワのミルクちゃんとココアちゃんが眠る、
「紫雲山 極楽寺」へ、久しぶりに会いに行くこと。

この二つの神社仏閣を回る一日旅として、
事前に計画を立てていました。

──そして、計画通りにいかないのも旅の醍醐味。

🕖 当初のスケジュール

07:00 自宅 出発
07:30 実家(父を迎えに行く)
07:45 出発

R168〜下道なら約3時間
高速(田辺西IC → 木津IC)なら約2時間半
11:00 天河大弁財天社 到着・参拝
12:00 昼食(洞川温泉街などを想定)
13:30 出発 → 極楽寺へ
15:00 紫雲山 極楽寺 参拝
※亡き先住犬・チワワのミルクとココアが眠るお寺
16:30 実家
17:00 自宅 帰宅予定

こうして見ると、なかなかタイトだけど、
「無理のない一日旅」のつもりでした。
──この時点では。

計画は、ここから崩れはじめる

6:50
ENEOSで給油と車内清掃。

小雨が降っていたので洗車は断念。
「まぁ今日はええか」と自分に言い聞かせて、実家へ向かいました。

実家までは、土日祝なら空いていれば20分ほど。
平日は混みやすいため、いつもは抜け道を使っています。

ところがこの日は祝日(文化の日)
「今日は空いているやろ」と、いつもの感覚で通常ルートを選んだのが誤算でした。

思った以上に車が多く、
途中から抜け道に入る余地もなく、そのまま渋滞に巻き込まれることに。

ようやく実家に到着。
……が、ここからが長い(笑)

母の小言をひと通り聞き終え、
気づけば実家を出発したのは8時26分

この時点で、すでに計画より約40分遅れ。

「これはもう、高速使うしかないなぁ」

当初は下道の予定でしたが、
田辺西IC → 木津ICを使って、遅れを取り戻す判断をしました。

ガッツリ高速を使えば、さらに30分ほど早く着ける。
ただ、その分、走行距離は伸びます。

父も一緒の旅。
無理はせず、時間と距離のバランスを取りながら、ルートを選び直しました。

こうして、最初の予定は少しずつ形を変えながら、
奈良の山へ向かいました。

山に入った瞬間、空気が変わった|道の駅「吉野路黒滝」

自然豊かな奈良の山道に入ると、
ハンドルを握る感覚も、景色の見え方も一気に変わりました。

運転するのは楽しい。
それ以上に、景色そのものに癒されます。

大阪の都会とはまるで別世界。
コンビニひとつ探すのも大変なエリアで、
「あぁ、もう完全に山の中なんやな」と実感します。

そんな中で、本当にありがたい存在が、この道の駅でした。
山に入る前の、貴重な中継地点です。

道の駅「吉野路黒滝」

10:19
奈良県吉野郡にある道の駅「吉野路黒滝」に到着。

道の駅「吉野路黒滝」

コンビニもあり、食事・買い物・休憩が一通りできる貴重な拠点。逆に言えば、ここを逃すと次がしんどい。

地元の食材、屋台的なお店、軽食コーナー。
時間があれば、ゆっくり過ごしたくなる道の駅です。

この日は先を急いでいたので長居はしませんでしたが、
旅の途中で立ち寄るには、ちょうどいい“間”をくれる場所でした。

紅葉は、もう少し遅い時期なら、
きっと見事だったと思います。

洞川の遊歩道と犬たち。色づき始めの紅葉
色づき始めた木々の中を、マルくんとプーくんと一緒に歩きました。

ただ一つ、完全に想定外だったのが寒さ

大阪とは明らかに気温が違う。
山の空気は冷たく、父の服装が少し心配になるほどでした。

(帰宅後、父が「思ったより寒かったなぁ」とぽつり。
それを聞いた母が、
「だから言ったやろ。もっとあったかくして行きって」と、
小さく叱っていました…😅)

冷えた体に良さそうだったのが、
村の猪肉を使った「ぼたん汁」

ただ、この時は父がまだ食事の気分ではなかったので、
黒滝こんにゃく よもぎの里で名物の串こんにゃくを購入。

黒滝こんにゃく よもぎの里
村の名物・串こんにゃく。素朴やけど、体にしみる美味さでした😁

ちなみに、
道の駅「吉野路黒滝」から天河大弁財天社までは約13km。
車で20分ほど。

ここから先は、
さらに山深いエリアへ入っていきます。

天河村へ、近づいていく

天河大弁財天社を目指して、国道309号線の山道をさらに進む。

父は鳥取県の山奥の出身だ。
今も定期的に山歩きをしていて、
その表情からも、この山道を楽しんでいるのが分かる。

僕は山歩きはしない。
けれど、車で山道を走るのは昔から大好きだ。

父の田舎や、
僕がよく参拝に行く高野山・奥之院の山道に比べると、
この道はずいぶん整備されていて、運転しやすく感じた。

ところどころに見える旧道に、
親子でつい目がいく。
「あっち、気になるなぁ」と思ってしまうのは、
やっぱり遺伝なんやろうな。

昼食の候補にしていた、
かどや食堂(丼・定食)を曲がり角に発見。

道の角にあるから「かどや」なんかなぁ、と
そんな他愛もない会話で、車内が少し和む。

駐車場は3台か、4台ほど。
ここも、いちおう昼食候補のひとつ。

右に山、左に天の川、そして小さな村。
父の田舎の風景と、どこか重なる。

もう、目前だ。

雲行きがかなり怪しくなり、
今にも雨が降り出しそうな気配。

弁天橋に差しかかると、
「ようこそお詣りくださいました」という文字が、
鳥居のように迎えてくれました。

弁天橋の入口。「ようこそお詣りくださいました」と迎える表示

⛩️ 天河大弁財天社参拝

駐車場に到着。
ちょうどそのタイミングで、雨が降り始めました。

参道の入口に立つ鳥居の前で、写真を一枚だけ。
御神燈の台座に犬をそっと乗せて撮らせてもらい、
すぐに車へ戻って留守番してもらいました。

参道入口の鳥居前で撮影したマルくんとプーくん

⛩️ 拝殿の前で、言葉が止まった

拝殿を前にした瞬間、
「すごい…」と心の中で思った。
でも、不思議とそれ以上の言葉が出てこなかった。

うまく説明できない。
でも、ちゃんと感じている。
そんな時間でした。

天河大弁財天社の拝殿(引きの写真)
天河大弁財天社の拝殿(引きの写真)

🎭 能舞台を見て、ふと思ったこと

能舞台を前にしたとき、
ふと、立ち止まってしまいました。

ここが、
特別な表現の場として使われてきた場所だということは、
以前から知っていました。

でも、実際にその場に立ってみると、
知っているはずの情報とは、まったく違う形で胸に届いてきます。

感動はしている。
なのに、うまく言葉にできない。
今回は、それがいちばん正直な感想でした。

天河大弁財天社の能舞台
能舞台の前で、ただ静かに見上げていました。

🌧️ 雨の日の天河は、少し違って見えた

雨が降っていたせいか、
神社全体が、目に見えないものに包まれているように感じました。

「神秘的」と言い切るのも違う。
「パワーがすごい」と書くのも、どこか違う。

ただ、
自分の中の雑音が、すっと消えていくような感覚。
それだけが、はっきり残っています。

11:49
参拝を終え、御朱印を受けるため納経所へ向かいました。

天河大弁財天社の御朱印。奉拝、令和七年十一月三日の日付が入った直書き御朱印
天河大弁財天社でいただいた御朱印。静かな筆致と朱印が印象的でした。

神社参拝用として使っているサムハラ神社の御朱印帳に加え、
天河大弁財天社の御朱印帳を新たに購入。

御朱印込みで2,000円。
結果的に、御朱印を二ついただいたことになります💦

天河大弁財天社の御朱印帳。深い青地に社殿の刺繍と三つ巴の意匠が施された一冊
今回、新たに授かった天河大弁財天社の御朱印帳。手に取ると、不思議と気持ちが落ち着きました。

「呼ばれた人しか辿り着けない」と言われる天河大弁財天社。
こうして無事に参拝を終えることができました。

🍽️ 昼食を求めて、次の場所へ

参拝も無事に終え、
気づけば、ちょうどお昼の時間になっていました。

昼食候補に考えていた、
天河村にあるかどや食堂

ちょうど昼時ということもあり、
駐車場にはすでに3台。

「一番端に停められへんかな」と父。
「無理やろ」と返しつつ、
一度通り過ぎて、Uターンしてみました。

結果、やはり無理な狭さだと確認。

ここで無理をするのはやめて、
洞川温泉街へ向かうことにしました。
車で15分ほどの距離です。

洞川温泉街で候補にしていたのは、
清九郎(手打ちそば)と、
味処きらく九兵衛(めはり寿司)

♨️ 洞川温泉街、昼ごはんは父の一言から

洞川温泉街に到着。

温泉街の道をゆっくり走りながら、
昼食候補の店と、駐車できそうな場所を探して回りました。

手打ちそば処 清九郎はすぐに見つかりましたが、
すでに数名が並んでいます。

車を停める場所がないなぁ……。

夜になると「千と千尋の神隠し」の屋台のような雰囲気になるという通りを抜け、
めはり寿司の久兵衛も発見。

体もすっかり冷え切っていたので、
今日は手打ちそばにしようと決めました。

洞川温泉ビジターセンターの駐車場に車を停め、
歩いて清九郎へ向かいます。

手打ちそば処 清九郎の外観。洞川温泉街の中にある人気店
洞川温泉街の手打ちそば処「清九郎」。この時点ですでに並んでいた。

到着すると、
先ほどよりも並んでいる人数が増えていました。

店前の長椅子はすでに満席。
順番待ちの用紙に名前を書き、メニューを眺めていると――

ここで、思わぬ事実が発覚。

父:「サバの柿の葉寿司しかないんかなぁ?
   鮭はないかなぁ?」

僕:「なんで?」

父:「子どもの頃、サバ寿司食べて蕁麻疹出て以来、
   食べられへんねん」

僕:「えっ……」

(……そもそも、
めはり寿司の久兵衛しか選択肢なかったやん)

そのタイミングで、
中から大将らしき男性が顔を出し、

「先にメニュー決めてください。
そばは新そばなんで、冷たい方がおすすめですよ」

正直、内心は「まじか……」でした。

僕は、うどんでもそばでも、
夏でも温かいものを選ぶタイプ。

しかも今日は、
足の先まで悴むほど冷えている。

……でも、そばは香りを楽しむもの。

冷たいそばにすることにしました。

柿の葉寿司も、
父がサバを食べられないことを伝え、
鮭に変更できるか確認。

「大丈夫ですよ」と言われ、
ようやく、ほっと一安心。

大阪人としては、
何分待ちか聞きたいところやけど、
そんな空気感じゃないのも、なんとなく分かる。

結局、待ち時間は約1時間

その間に気づいたこと。

  • 清九郎の横が駐車場(空いていれば停められるらしい)
  • モノレールに乗ると鍾乳洞が見られるらしい

……どれだけ時間を持て余していたか、
伝わるでしょうか。

🍴 昼食は手打ちそば処 清九郎

13:20
清九郎セット(柿の葉寿司)

  • 冷たいざるそば
  • 柿の葉寿司(鮭)
  • 名水豆腐
  • 川魚甘露煮
  • 小鉢・漬物

父はサバが食べられないため、柿の葉寿司は鮭。

手打ちそば処 清九郎の清九郎セット。ざるそば、柿の葉寿司(鮭)、名水豆腐、川魚の甘露煮、小鉢、漬物が並ぶ
清九郎セット(柿の葉寿司)。冷たいざるそばを中心に、洞川らしい素朴な品が並ぶ。

手打ちそば処 清九郎
(奈良県吉野郡天川村洞川525-1)

♨️ 洞川温泉、予定外のひとっ風呂

14:15。
並ぶだけあるね。素直にそう思った。

食事を終え、洞川温泉ビジターセンターの駐車場へ戻る。
予定にはなかったが、そのまま洞川温泉に入ることにした。

予定調和じゃない。
こういう流れになるのが、旅のいちばん面白いところやと思う。

親子で温泉に入るのは、久しぶりだった。
背中を流したり、そんなことはしないけれど。

施設は昨年リニューアルされ、
浴室や休憩スペースは広く、
観光案内所や特産品販売も併設されている。

来場者も多く、
いま人気の温泉になっているのも、なんとなく分かる。

普段はカラスの行水の僕も、
この日は寒さで体がすっかり冷えていた。
父と並んで、珍しくゆっくり湯につかった。

🕊️ 帰路|計画通りにいかないのも、旅の醍醐味

15:30
洞川温泉ビジターセンターを出発。

本当はこのまま、
亡き先住犬のミルクちゃんとココアちゃんが眠る紫雲山 極楽寺へ向かう予定だった。
でもこの時点で、到着見込みは17時頃

父も一緒の旅。
山道の運転もある。
今日はここで無理をせず、極楽寺はまた改めて会いに行くことにした。

父を実家へ送り届け、そのまま帰宅。

朝に立てたスケジュールは、結局ほとんど予定通りにはいかなかった。
でも、寄り道が増えた分だけ、思い出もちゃんと増えていた。

──計画通りにいかないのも、旅の醍醐味。
そんなことを思いながら、家路についた。

巳年のご縁に導かれた天河大弁財天社参拝。
五十鈴の音、芸能の気。

父との温泉時間も穏やかで、
心身ともにほどける一日になりました。


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80点からの挑戦──50代タクシー運転手、3年目の決意