2026年7月度のタクシー乗務記録です。
今月は、流し営業の基本に戻った一ヶ月でした。
営業中に売上を確認しない。
大きく移動しすぎない。
左回りを意識しながら、ご案内した先のエリアを細かく走る。
タクシー乗務を始めた頃に教わったことを、改めて心がけました。
きっかけは、市場が思うように動かない日が増えたことです。
アプリが鳴らない。
街を流しても反応が薄い。
ご乗車いただいても近距離が続く。
そんな日に売上ばかり確認していると、気持ちが焦り、必要以上に移動してしまいます。
もっと良い場所へ行かなければ。
次は長い距離のお客様を乗せたい。
このままでは足りない。
その焦りが、空車時間や疲労を増やしていたのかもしれません。
そこで今月は、結果を追う前に、自分の営業を整えることにしました。
売上を作るための新しい方法を探したというより、忘れかけていた基本へ戻った一ヶ月でした。
市場が静かな日が増えた
7月度も、大阪市内のタクシー市場が特別良かったわけではありませんでした。
街を走る空車タクシーの多さや、アプリの鳴り方を見ていると、乗務員の増加によって、一台あたりのご乗車機会が分散しているように感じます。
僕は毎日の実車率を参考に、市場の動きを「◎良い」「○普通」「△弱い」の3段階で記録しています。
7月度は、「◎良い」が3日だったのに対し、「△弱い」は8日ありました。
あくまで僕自身の乗務結果による評価ですが、市場が静かな日が多かったことは、数字にも表れていました。
それでも、雨の日には需要が増え、手上げのお客様やアプリの依頼が続くこともあります。
鉄道の遅れや急な雨によって、一時的にタクシー需要が高まることもありました。
しかし、その波が終われば、街は再び静かになります。
タクシーの仕事は、天候や曜日だけでなく、時間帯、鉄道の運行状況、イベント、人の動きによって大きく変わります。
同じ場所を同じ時間に走っても、昨日と今日では結果が違います。
市場が弱い日に、自分の力だけで無理に流れを作ろうとすると、走行距離ばかりが増えていきます。
今月は、そうした日が何度もありました。
それでも以前ほど、市場に対して腹を立てることはなくなりました。
「今日は静かな日なんだな」
そう受け入れたうえで、自分にできることを淡々と続けるようになりました。
営業中に売上を見ないことにした
今月、一番大きく変えたのは、営業中に売上を確認しないことです。
これまでは何度も現在の売上を確認していました。
目標まであとどれくらいか。
午前中の進み方はどうか。
昨日より良いのか、悪いのか。
数字を把握すること自体は大切です。
ただ、僕の場合は営業中に売上を見ることが、必ずしも良い判断につながるとは限りませんでした。
思っていたより少なければ焦ります。
焦ると、今いる場所を信じられなくなります。
反応がないから別のエリアへ。
そこでも反応がないから、さらに別のエリアへ。
気がつけば、お客様を探しているというより、「売上が上がりそうな場所」を探して移動しているだけになっていました。
そこで今月は、営業中に売上を見るのをやめ、乗車回数だけを見るようにしました。
売上は、乗車距離や単価によって大きく変わります。
近距離が続けば、何組ご乗車いただいても数字は思うように伸びません。
一方で、乗車回数は一組ごとに確実に積み重なっていきます。
一組、また一組とご案内する。
その積み重ねだけに集中すると、不思議と気持ちが乱れにくくなりました。
営業を終えてから売上を確認すると、体感していた結果と大きく違わない日も少なくありませんでした。
長く乗務を続けていると、乗車回数や走った距離、その日の市場の雰囲気から、おおよその結果は自然と分かるようになります。
それなら、営業中に何度も数字を確認する必要はないのかもしれません。
売上を見ても、その場で結果が増えるわけではありません。
むしろ焦ったり、投げやりになったりして、自分の営業を崩してしまうことの方が多かったように思います。
乗車回数を積み重ねていけば、大崩れすることは少ない。
今月は、そんなシンプルなことを改めて実感した一ヶ月でした。
左回りを意識して流し営業の基本に戻る
もう一つ見直したのが、流し営業の回り方です。
以前から左回りを意識した営業を心がけていましたが、乗務に慣れてくるにつれて、目的地を優先して右折する場面が増えていました。
効率良く移動しているつもりでも、気がつけば営業エリアが広がりすぎていたのかもしれません。
そこで今月は、一つのエリアを四角形のように捉え、左折を繰り返しながら細かく回ることを意識しました。
右へ行きたい場面でも、できるだけ左へ曲がりながら目的の方向へ近づいていきます。
実際にやってみると、思っていた以上に難しく、左回りだけで目的の方向へ進むには地理力が試されます。
これまで通らなかった道を走る機会は確実に増えました。
大通りの裏側。
住宅地と商業地の境目。
病院や施設の出入口。
普段は通過していた小さな交差点。
そうした場所で手上げのお客様とご縁があったり、少し前に通った周辺からアプリが鳴ったりすることもありました。
左回りの効果が、そのまま売上につながっているかは分かりません。
ただ、僕にとって一番大きかったのは、営業中の迷いが減ったことです。
次はどこへ行こう。
右へ行くか、左へ行くか。
このエリアを離れるべきか。
そうした小さな判断が減り、目の前の運転に集中しやすくなりました。
流し営業で意識した基本
左回りだけでなく、運転そのものも基本から見直しました。
- 左側車線を意識して走る。
- 速度を上げすぎない。
- 近くだけでなく遠くの状況を見る。
- 大型車の後ろを避け、視界を確保する。
- 信号では先頭で停止を意識する。
- 車間距離を保ち、お客様に見つけてもらう状況をつくる。
どれも特別な営業方法ではありません。
乗務を始めた頃に意識していた、ごく基本的なことばかりです。
しかし慣れてくると、いつの間にか自分の感覚だけで走るようになります。
少しでも早く移動したい。
アプリが鳴りそうな場所へ行きたい。
次のお客様を早く見つけたい。
その気持ちが強くなるほど、運転も営業も落ち着かなくなります。
基本を意識して走るようになると、速度が落ち着き、自然と視野も広がりました。
お客様を探しながらも、歩行者や自転車、交差点、駐車車両まで目が届くようになります。
売上を上げるための基本というより、無事故で長く続けるための基本。
そして、長く継続することこそが、流し営業で一番大切な基本なのだと改めて感じた一ヶ月でした。
知らない場所を一つずつ覚える
タクシー乗務を続けていても、知らない場所はなくなりません。
有名な建物でも正式名称ではなく、愛称や通称で呼ばれることがあります。
お客様にとっては当たり前の呼び方でも、運転手には分からないことがあります。
今月も、商店街の愛称や複合施設、ホテル、建物の入口など、新しく知った場所がいくつもありました。
分からない時に、知っているふりをしない。
「この辺りでよろしいですか」
「正式な施設名を教えていただけますか」
そう確認しながら向かうことも、タクシー接客の大切な部分です。
タクシーの地理は、地図を眺めるだけではなかなか身につきません。
実際にお客様をご案内する。
建物の入口を確認する。
次に同じ場所を通った時に復習する。
その積み重ねによって、少しずつ街が自分の中でつながっていきます。
乗務を始めて数年が経っても、知らない場所や新しく覚えることがあります。
だからこの仕事は、何年乗っても勉強が終わりません。
それが、タクシー乗務の難しさであり、面白さでもあるのだと思います。
流し営業の基本は売上より先にある
今月、改めて感じたことがあります。
流し営業の基本は、売上を上げるためだけにあるのではありません。
安全に走る。
街の変化に気づく。
お客様を見つける。
焦らず判断する。
疲労を溜めすぎない。
そうした土台があって、結果として売上につながっていきます。
売上を先に追い始めると、基本が崩れることがあります。
もっと走ろうとして速度が上がる。
反応を求めて移動範囲が広がる。
休憩を後回しにする。
数字を見て気持ちが乱れる。
それでは、安全に長く続けることができません。
7月度は、大きく稼ぐ方法を見つけた月ではありませんでした。
売上より先に、自分の営業を整える。
その積み重ねが結果につながることを、改めて実感した一ヶ月でした。
これからについて
8月度も、7月度に見直した営業を続けてみようと思います。
- 営業中は売上を何度も確認しない。
- 結果よりも、目の前の一組を大切にする。
- 左回りを意識しながら、行った先のエリアを細かく走る。
- 流し営業の基本を忘れない。
- 無事故・無違反を最優先にする。
もちろん、この方法が毎日良い結果につながるとは限りません。
タクシー市場は日々変わります。
左回りを意識したからといって、お客様が必ず増えるわけではありません。
営業中に売上を見なければ、数字が自然に上がるわけでもありません。
それでも、気持ちが乱れにくくなり、安全運転に集中できるのであれば、続ける価値はあると思っています。
50代になってから選んだタクシーの仕事。
前職のように、常に上を目指し、結果を追い続ける働き方へ戻りたいとは思いません。
一組ずつ丁寧にご案内し、一日の乗務を無事故で終える。
その積み重ねで生活を整え、できるだけ長く働いていきたいです。
7月度は、
新しい営業方法を探すより、基本に戻ることの大切さを改めて実感した一ヶ月でした。
📌 このブログは、「内向型のまま、50代から人生を組み直したい人」のために書いています。
🌿 ひとり時間を大切にしたい方
🛐 御朱印めぐりや一人旅が好きな方
🚖 無理しない働き方を選びたい方
僕の実体験が、あなたの“静かな一歩”のヒントになれば嬉しいです。





