2026年8月度|売上を追うより、続けられる働き方を考えた一ヶ月

2026年8月度のタクシー乗務記録です。
今月は、日々の乗務の中で「確認すること」の大切さを改めて感じた一ヶ月でした。

目的地を聞いたら復唱する。
ルートを確認する。
到着前には、どこで停車するかを確認する。

どれも乗務を始めた頃から意識してきた、特別でも何でもないことです。

でも、道を覚えて仕事に慣れてきた今だからこそ、
「分かっているつもり」が一番危ないのかもしれない
と感じる場面がありました。

一方で、自分自身の働き方についても少し変化がありました。

毎日記録している気分や疲れ具合、市場の動きを見返しながら、
以前のように一日の結果を追い続けるより、
無理なく仕事を続けることを考えるようになっています。

7月度は、営業中に売上を何度も見ないようにし、
左回りや流し営業の基本に戻りました。

8月度はそこからもう一歩進んで、
乗務の基本と、自分自身の働き方を見直した一ヶ月
になりました。

目的地は、聞くだけではなく復唱する

今月、改めて大切だと感じたのが、
乗車時の目的地確認です。

お客様から目的地をお聞きしたら、
一度復唱する。

当たり前のことですが、
似たような地名や紛らわしい施設名は意外とあります。

同じような名前のホテルやマンション、
施設もありますし、
お客様自身が名称や場所を勘違いされていることもあります。

だから最初に、

「○○でよろしいですか」

と確認する。

それでも走り始めてから、

「あれ? 本当にここで合っているかな」

と感じることがあります。

そんな時は、
そのまま走り続けないようにしています。

近くには何がありますか。
どの辺りの施設ですか。
以前はどちらから行かれましたか。

乗車中でも会話をしながら、
少しずつ目的地の確実性を高めていく。

知っているふりをして間違えるより、
その方がお客様にも自分にも安心です。

タクシーは、
一度方向を間違えると簡単には戻れないことがあります。

だから、
少しでも「怪しいな」と感じたり、不安があったりすれば、
その時点で確認する。

今月は、
その基本を改めて意識するようになりました。

ナビより、お客様にルートを聞く方がいいこともある

目的地と同じように、
ルートの確認も大切です。

ナビは本当に便利です。

僕も使いますが、
何でもナビに任せればいいとは思っていません。

時間帯によって混雑する道もありますし、
ナビでは出てこない走りやすい道もあります。

それ以上に、
その地域を普段から利用されているお客様の方が
道をよく知っていることがあります。

だから僕は、

「いつも通られる道はありますか」
「どちらから行きましょうか」

と確認するようにしています。

すると、
前のめりになって道を教えてくださるお客様が
意外と多いんです。

「次を右」
「その先を左」
「こっちから抜けた方が早いよ」

と、得意げに案内してくださることもあります。

お客様にとっては普段から使っている道なので安心できますし、
僕も迷う必要がありません。

そして時々、

「こんなところから抜けられるんだ」

という道を教えていただくことがあります。

タクシーの地理は、
自分一人で覚えてきたわけではありません。

これまでご乗車いただいたお客様から教えてもらった道も、
かなりあります。

分からないことを聞くのは恥ずかしいことではなく、
それも地理を覚えていく方法の一つなのだと思います。

「お任せします」と言われると、むしろ張り切ってしまう

もちろん、
ルートを確認しても、

「お任せします」

と言われることがあります。

そんな時は、
ちょっと張り切ります(笑)。

自分が知っている中で、
できるだけ早く、
できるだけ距離の短い道を考えます。

この時間ならこちら。
この交差点は避けた方がいい。
ここから抜ければ少し近い。

乗務を始めた頃と比べれば、
頭の中で道がつながるようになりました。

新人の頃は、
まず目的地まで無事にたどり着くことで精一杯でした。

知っている大きな道を走ることも
多かったと思います。

今は、
道路状況を見ながら別の道を選べる場面が
少しずつ増えました。

その結果、
同じようなご案内でも以前より距離が短くなることがあります。

ということは、
運賃も以前より安くなることがあります(笑)。

僕の売上だけを考えれば、
複雑な気持ちになりますが、それでいいと思っています。

「お任せします」と言っていただいた以上、
自分が知っている中で良いと思う道を選ぶ。

早く到着できて、
距離も短ければ、
お客様にとってもその方がいい。

売上とは別のところで、
少しずつ仕事が上手くなっているのなら、
それも経験を重ねた結果なのだと思います。

到着する前に「どこで停めるか」を確認する

もう一つ、
今月改めて意識したのが停車位置です。

目的地に着けば終わり、
ではありません。

同じマンションや施設でも、
正面玄関で降りたい方もいれば、
裏側の入口へ行きたい方もいます。

建物の少し手前で降りたい方もいます。

中には、
タクシーで来たところを周りの人にあまり見られたくないという方もいます。

運転手から見れば、

「目的地はここ」

でも、
お客様が降りたい場所は少し違うことがあります。

だから目的地が近づいたら、

「入口はこちらでよろしいですか」
「どの辺りで停めましょうか」

と確認する。

たった一言ですが、
その一言で最後の行き違いを減らせます。


目的地を確認する。
ルートを確認する。
停車位置を確認する。

今月は、
この3つを以前より意識するようになりました。

道をたくさん知っていることも大切ですが、
知識だけでお客様をご案内する仕事ではありません。

分からなければ聞く。
少し不安なら確認する。

慣れてきた時ほど、
その基本を忘れないようにしたいと思っています。

近距離でもありがたい。でも釣銭には少し困る

タクシーに乗っていると、
お客様をお乗せできた瞬間に、
ホッとすることがあります。

特に空車の時間が長かったあとは、
近距離であっても、

「やっとお乗せできた」

という気持ちになります。

ワンメーターでも、
ご乗車いただけること自体はありがたいです。

ただ、
そこから気分が180度変わることがあります。

それが、
高額紙幣でのお支払いです。

たとえば近距離の運賃に対して、
1万円札でお支払いされることがあります。

もちろん、
最初のうちは大丈夫です。

僕は毎日、
釣銭用として1,000円札をある程度用意して出庫しています。

でも高額紙幣での支払いが何度か続くと、
少しずつ1,000円札が減っていきます。

その状態になると、
今度は5,000円札で支払われただけでも、

「またか……」

と思ってしまうことがあります。

もちろん、
お客様に悪気があるわけではありません。

現金でのお支払いなら、
高額紙幣になることもあります。

それでもこちらとしては、
釣銭が足りなくなりそうになると少し焦ります。

たまに、
1,000円札を作るためだけにコンビニへ寄って、
特に飲みたいわけでもない缶コーヒーを買うこともあります。

そんな時は、
さすがに少しイラッとします(笑)。

「もう100円玉でお釣りを渡したろか」

と、一瞬だけ頭をよぎることもあります。

もちろん、
実際にはしません。

でも僕も人間なので、
毎日いつでも穏やかでいられるわけではありません。

大切なのは、
イラッとした気持ちを、そのまま接客に出さないこと
だと思っています。

近距離でも、
高額紙幣でも、
お客様にとっては普通にタクシーを利用しているだけです。

こちらの事情をそのままぶつけるわけにはいきません。

だからこそ、
釣銭を準備しておくことも仕事の一部。

そして、
感情が動いた時に一度切り替えることも、
この仕事を続けるうえでは大切なのだと思います。

毎日の記録に「気分」と「疲れ」も残している

僕は毎日の乗務結果と一緒に、
その日の気分や疲れ具合も簡単に記録しています。

気分なら、

行きたい。
普通。
休みたい。

疲れも、

元気。
普通。
少し疲れている。

その程度の簡単な記録です。

市場についても、
自分の実車率などを参考に、
「良い」「普通」「弱い」と残しています。

今月、
その記録を見返していて面白いことに気づきました。


市場が弱い日と、
自分が疲れている日は必ずしも一致していません。

お客様の動きが良い日でも、
「休みたい」と感じることがあります。

反対に、
市場が静かな日でも、
気持ちは普通に働けていることがあります。

以前は、
その日の結果が良くなければ、

「今日はダメだった」

と全部まとめて考えていたように思います。

でも、
市場と自分の体調は別です。

市場は自分では変えられません。

疲労には、
その日だけではなく、
それまでの仕事や生活も影響します。

一つずつ分けて見るようになると、
その日の結果だけで自分の仕事まで否定する必要はないと思えるようになりました。

連勤が続くと「休みたい」が増える

記録を続けていると、
自分の疲れ方も少しずつ分かってきます。

僕の場合、
連勤が続くと「休みたい」と感じることが増えます。

これは気持ちだけの問題ではなく、
運転にも関係します。

疲れている時ほど判断が雑になりやすい。
焦っている時ほど周りが見えにくくなる。

タクシーは、
一日中運転する仕事です。

あと少し頑張れば、
もう一組ご乗車いただけるかもしれません。

でも、
その「あと少し」のために安全を削ってしまっては意味がありません。

だから今は、
何日でも続けて働けることを目指すのではなく、
自分が無理なく続けられる勤務のリズム
を考えるようになりました。

朝から少ししんどい日もあります。

そんな日は、
「いつも通り働く」か「休む」かだけではなく、
少し遅く出たり、
いつもより短く働いたりしてもいい。

本当に疲れているなら休む。

一日だけではなく、
その先も仕事を続けるために調整する。

50代になった今は、
それも仕事の一部だと思っています。

お盆は近距離のご乗車が続いた

お盆の時期、大阪市内を走っていると、
普段とは人の動きが違います。

仕事で移動する人が減り、
街が静かに感じる時間も増えました。

タクシーをご利用いただくお客様がいないわけではありません。

ただ、
僕の乗務では近距離のご乗車が続きました。

一組ご案内する。
また一組ご案内する。

乗車回数は積み重なっても、
なかなか結果にはつながらない。

こういう日は、
どうしても別の場所へ行きたくなります。

でも7月度から、
大きく動きすぎず、
今いる場所で一組ずつご案内することを意識しています。

街全体が静かな日に、
自分だけ焦っても仕方ありません。

お盆の最終日も近距離のご乗車が続き、
正直なところ、

「今日はもう早く帰りたいな」

と思っていました。

ところが、
そろそろ終わろうかと思っていた頃、
最後に少し長い距離のお客様とのご縁がありました。

それまで静かだった一日の流れが、
最後の一組で変わりました。

やっぱりタクシーは、
最後まで分かりません。

だからこそ、
次の一組がどうなるかを考えすぎず、
目の前のお客様をご案内する。

それでいいのだと思います。

昨年とは違う市場で、自分の基準を戻す

今月、
自分の中に「もっと売らなければ」という感覚が残っていることにも気づきました。

理由の一つは、
昨年の大阪・関西万博だったのかもしれません。

昨年は、
万博会場や周辺施設への大きな需要がありました。

当時はそれが日常だったので気づきませんでしたが、
振り返ってみると、
その時期の感覚が自分の基準になっていたように思います。

でも、
今年は今年です。

街を走るタクシーの数も、
人の動きも、
需要も変わります。

昨年と同じ結果を求めて、
自分だけが無理をする必要はありません。

それよりも、
自分に必要なところまで仕事をして、
安全に一日を終える。

他の乗務員とも、
昨年の自分とも比べない。

市場が良い日は、
その流れの中で働く。
静かな日は、
焦らず一組ずつ積み重ねる。

今は、
そのくらいの距離感でタクシーの仕事と付き合っていきたいと思っています。

休みの日、生駒山 寳山寺(生駒聖天)で目に留まった言葉

8月お盆の休み。
喜連瓜破にある祖父母のお墓参りをしてから、奈良・生駒山の寳山寺へ向かいました。

以前にも参拝したことのあるお寺ですが、今回は真言宗十八本山の巡礼としての参拝です。
駐車場は満車で、しばらく待ってから参拝へ。
奥之院まで歩き、御朱印をいただいて帰りました。

その途中で、ふと目に留まった言葉がありました。

生駒山 寳山寺お盆の言葉

「祖霊を崇び、親を敬い、自らの仕事に励む。
当たり前のことである。」

祖父母のお墓参りをしてから来たこともあって、妙にこの言葉が残りました。

特別なことをするのではなく、先祖を大切にして、親を大切にして、自分の仕事をする。
当たり前と書かれていますが、その当たり前を続けることが案外難しいのかもしれません。

休みが終われば、またタクシーの仕事が始まります。
今月も目標はありますが、まずは一日一日、無事故で自分の仕事をしていこうと思います。

これからについて

7月度は、
売上を何度も確認することをやめ、
左回りや流し営業の基本に戻りました。

8月度は、
そこからさらに、
仕事の中で「確認すること」と、
自分自身の働き方を見直しました。

目的地を確認する。
ルートを確認する。
停車位置を確認する。

そして自分についても、

今日は疲れていないか。
無理をしていないか。
今の市場に対して焦っていないか。

少し確認する。

考えてみれば、
どちらも同じなのかもしれません。

「たぶん大丈夫」で進まず、一度確認する。

お客様をご案内する時も、
自分の働き方を考える時も、
その方が大きくズレにくくなります。

以前の僕なら、
もっと売る方法や、
もっと頑張る方法を考えていたと思います。

今は、
一日の結果よりも、
無事故で仕事を終え、
また次の乗務へ行けることの方を大切にしています。

道を覚えても、
確認を忘れない。
仕事に慣れても、
無理を当たり前にしない。

8月度は、
慣れてきた今だからこそ、
基本を確認しながら、
自分に合う働き方を続けていきたいと思った一ヶ月でした。


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